ワイン知識

日本固有のワイン用品種『マスカット・ベーリーA』の特徴は?オススメのワインは?

マスカット・ベーリーAといえば、日本固有のワイン用ぶどう品種として有名ですよね。
しかし、実はよく知らない……という方も多いのでは?

マスカット・ベーリーAは、渋みが少なくフルーティな味わいで、ワイン初心者にもおすすめな飲みやすいワインなんです。

今回はそんなマスカット・ベーリーAの特徴や歴史、産地を詳しく調べてみました。
よく合う料理とおすすめのワインも一緒にご紹介します。

マスカット・ベーリーAの特徴とは?

マスカット・ベーリーAは生食もできるブドウです。
甘く濃厚な品種であり、房と粒は大きく、皮は濃い色をしています。

イチゴキャンディのような甘い香りがマスカット・ベーリーAの最大の特徴です。
これはイチゴの香りの元である「フラネオール」という成分が豊富に含まれているためで、他のブドウにはないものです。
この香りは別名フォクシー・フレーバーとも呼ばれ、アメリカ産のブドウを親に持つ品種によく見られます。

昔はフルーティで軽快な味わいの甘口ワインに使われることが多かったマスカット・ベーリーAですが、最近ではライトボディからミディアムボディまで、さまざまなスタイルのワインが作られています。
軽快な味わいの早飲みワインや、樽で寝かせた濃厚な味わいのフルボディ、さらにはロゼやスパークリングワインなど、生産者次第で大いに化けるのもこのブドウの特徴です。

ワインは明るく濃い赤色ですが、濃い色味に反して、渋みは穏やか。
酸味も弱めで、ワイン初心者にも飲みやすいワインと言えるでしょう。
優しく滑らかな口当たりは、ほっと一息つきたいときに呑みたいおいしさです。

マスカット・ベーリーAの歴史

マスカット・ベーリーAは、1927年に新潟県で開発された黒ブドウ品種です。
親はアメリカ系ブドウのベーリーと、ヨーロッパ系で黒い皮マスカットのマスカット・ハンブルグです。

開発した川上善兵衛氏は岩の原葡萄園の創設者です。彼は農民の収入源としてワイン醸造を考えました。
そのために、日本の気候と土地にあるブドウが必要だと考えた彼は、1890年にアメリカから様々な品種の苗を輸入し、自宅の庭でブドウの交配を行ったのです。

川上善兵衛川上善兵衛 氏
(出典:日本ワイナリー協会)

公に発表されたのは1940年でした。
強く育てやすいマスカット・ベーリーAはたちまち全国に広がり、盛んに栽培されるようになりました。

2008年には、生産量1位の山梨県がマスカット・ベーリーAと甲州種で生産される新酒ワインを「山梨ヌーボー」とし、、解禁日を11月3日に設定。
祭りなども盛んに行われ、盛り上がっています。

2010年には、日本の黒ブドウ品種として初めて国際ブドウワイン機構(OIV)に登録されました。
これは甲州種(白)に次いで2例目の快挙でした。
その後、海外からの人気も高まっている品種です。

マスカット・ベーリーAの主な産地は?

マスカット・ベーリーAは主に日本で作られています。

日本の土地と気候に合うよう作られたマスカット・ベーリーAは、病害や寒さ、湿気の多さに強いという特徴があります。
そのため、北海道を除くほとんどの地域で栽培することができるのです。

原産は新潟県ですが、最も盛んに作られているのは山梨県。なんと、全国の生産量の2割を占めています。
山梨県の他には、兵庫や広島、福岡でもよく作られている品種です。

マスカット・ベーリーAに合う料理は?

ズバリ、和食と合わせるのがおすすめです。

というのも、マスカット・ベーリーAに含まれているフラネオールなどの成分が、日本の「ダシ」と似ているからなんです。

マスカット・ベーリーAの甘く繊細な香りは、日本のたれとの相性が抜群。
すき焼きや照り焼きなど、味噌や醤油を使った甘辛い味付けのものと合わせるのが良いでしょう。

イチオシは、きんぴらごぼうと焼き鳥(たれ)。どちらも最高の組み合わせになるでしょう。

焼き鳥の写真

洋食と合わせるときは、あっさりした味付けの料理と合わせるのがおすすめ。
一般的に白ワインにあうとされる料理のほうがよく合います。

味の濃厚なものと合わせるとワインが負けてしまうので要注意。
オリーブオイルとの相性も良いので、カプレーゼやカルパッチョ、アヒージョなども良いですね。

甘口のワインやロゼには、生のフルーツがよく合います。
フルーツタルトや、フルーツを使ったサラダと合わせるのがおすすめです。
チーズを合わせるときは、癖のないものを選ぶと良いですよ。

おすすめのマスカット・ベーリーAワインは?

安心院ワイン 赤 マスカットベリーA

ライトボディのやや甘口で、とても飲みやすいワインです。
イチゴキャンディーのキュートな味わいが爽やか。マスカット・ベーリーAらしさを余すところなく楽しめます。
渋みや酸味はほとんど感じないので、ワインが苦手な方にも呑んでほしい一本です。
良く冷やして呑むのがおすすめです。

マンズワイン 酵母の泡 ベーリーA ルージュ

あのキッコーマンが作った、辛口のスパークリングワインです。
きめ細やかな泡がいっぱいに立ち上り、口当たりが良いのが特徴。
爽やかでフルーティな味わいは、もう一杯、あと一杯と進んでしまうおいしさです。
食事を邪魔しない味なので、どんな料理とも合わせることができます。
魚料理や鍋と合わせるのがおすすめ。パーティやおめでたい席にも。

紫波ワイン マスカットベリーA

飲みやすいロゼの甘口です。アルコール度数はやや低めの9度ということもあって、ワイン初心者にもおすすめです。
口当たりは優しく滑らか。さらっと爽やかな味わいですが、お酒らしいしっかりした旨みもあります。
ベリーを思わせる華やかな甘さは、女子会やパーティにもぴったり。
癖のないチーズやフルーツとよく合います。

熊本ワイン マスカット・ベリーA

国産ワインコンクール2009で、銅賞を受賞したワイン。赤の辛口、ライトボディです。
マスカット・ベーリーAらしいキャンディの香りがありながらも甘すぎず、食事とも合わせやすい一本。
甘酸っぱい酸味が長く続くおかげで、すっきりと飲みやすく、軽快な味わいです。
ピノ・ノワールのワインが好きな方にもおすすめです。

まとめ

世界に誇る日本のブドウ、マスカット・ベーリーAの紹介でした。

生産者によってさまざまな顔を見せるマスカット・ベーリーAは、お気に入りの一本を見つけるのも楽しみの一つです。

これを機に、ぜひ呑んでみてください。

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村崎緑
村崎緑

元バーテンダーのフリーライター。
おいしいお酒と料理を愛しています。
日々勉強中。